富山市の隠れ名物

2024.4.15

　「あやめ団子」

　お団子…と言えば、みたらし団子が全国で有名ですが、富山市の餅屋さんでは「あやめ団子」とよばれる団子を各店で作っておられます。

　あやめ団子とは、黒砂糖を使った黒蜜たれをかけて食べるお団子です。作られた由来はというと、春のお餅屋さんは、３月前半は、桜餅やうぐいす餅を作り、お彼岸はおはぎ、卒業入学祝いのお赤飯、５月のかしわ餅などいろんな餅を作るので忙しい日々を送ります。しかしその後は少し暇になるシーズンが来るので、暑くなる時に、何か美味しいものを作れないかなと開発されたのが、「あやめ団子」です。黒蜜の濃い色合いと、その季節に咲くあやめの花の色合いから「あやめ団子」と名付けたのが、由来と言われております。

　原料は、黒砂糖となりますが、採れる所が沖縄の各島や九州南部とさまざま所にあり、味も微妙に違いがでるため、同じ味の店がないのも特徴の一つです。だだ黒砂糖なので、ミネラルたっぷりの奥深い味わいを思っていただければいいと思います。

　団子の方も、通常のお米の粉から作るプルンとした食感のものから、お餅を混ぜてムニュムニュとしたものあるので、いろんな店をアタックするのも面白いですよ。

　あとは、季節的に限定して出すお店もあれば、年末の大忙しの時以外は年中出しているお店もありますし、スーパーに出している店もありますので、皆さまのシチュエーションにあった形で購入してみてください。

　最後に、お正月の能登半島地震で大なり小なり被害受けた所もありますし、営業できなかった所もあります。でもこれを機にしっかり立て直し、北陸新幹線の敦賀延伸で富山にもたくさんの人がいらっしゃって大変感謝している現状です。ちょっとしたお土産の一つとして「あやめ団子」を買いに来てくださる皆さまをお待ちしております。

　富山県菓子工業組合会計理事・轡田正喜