各地の菓子店探訪
神奈川県菓子店の投稿

田邊屋

横浜市電が繋いだ御菓子司

店舗外観

 本日は横浜駅前からバスに乗って伊勢町前のバス停を降りた、道路を挟んで向かいにある田邊屋さんを訪ねました。現在は塩田弘さんご夫婦でお店を切り盛りされていて、地元では四季折々の和菓子をお子様連れやご年配の方など皆様に大変喜ばれて居ります。お寺さんや神社、保育園などにも注文を頂き、茶道の先生たちからのご要望に応じて上生菓子の注文に精を出しているようです。

ショーケース

 少し前の話になりますが、塩田弘さんの母校の戸部小学校4年生たちと地元をイメージするお菓子を田邊屋さんで販売すると言う話が市のタウンニュースに載って盛り上がったようです。子供たちが一生懸命に考えて石崎川に浮かぶ桜を見て「石崎桜」という素敵な名前のお菓子が完成した様です。そのお菓子はお店で販売されていて、今でも好評の売れ行きだそうです。季節の和菓子の隣にうさぎの薯蕷まんじゅうがありました。まだ十五夜さんではないのでご主人に伺ったところ、十五夜さんのお菓子ですが、子供達に人気があるので通年商品にしたそうです。

三色だんご

 あともう一つ、三色団子に釘付けになったので聞いてみると団子ではなくて、三色の餡の味を変えたあんこ玉を串に刺したお菓子でした。艶があり本当に美味しそう。お土産として喜ばれているそうです。田邊屋さんの創業は昭和十三年で戦後、お父さんが長崎県から兄弟を頼って横浜の元町にあった田邊屋で修行をして暖簾を受けて始められたそうです。初めの頃は中区吉田町で開店したそうですが、その当時は市電が交通手段で、毎日毎日お菓子を沢山買って頂いたお客様が根岸駅のそばで田邊屋のお菓子を売っていたそうです。その事がきっかけで、ご近所の評判になり、ご要望により近くに売店を購入したそうです。今でも人気店で奥様も頑張っています。お客様を幸せにする塩田弘さんご夫婦のご活躍をお祈りいたします。

 神奈川県菓子工業組合広報部・亀岡肇

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