各地の菓子店探訪
千葉県菓子店の投稿

松戸市産レモンで羊羹

地産地消の新商品を開発

れもん羊羹

 ピーナッツサブレー本舗 千葉とみい(株式会社富井・千葉県松戸市・昭和48年創業)は、地元松戸市産のレモンを使用した「れもん羊羹」の販売を今年5月に開始しました。レモンを始めとする柑橘類は「温暖な地域でないと育たない」と言われており、茨城県南部から松戸市がある千葉県北西部あたりが、レモンが育つ北限とのこと。近年の温暖化の影響もあり、生育に適してきたそうです。

 この松戸市産レモンを使った商品を開発するにあたり、現在は千葉県・房総産のレモンを使用しているレモンゼリーの原料変更を念頭に開発を始めたのですが、レモンの品種が違ったため思うような味にならず、断念。そこで、すでに多く仕入れていたこの松戸市産レモン原料をどのように活用するかが課題となりました。

 レモン餡にして焼菓子や饅頭に使用する方向も検討しましたが、「ロットが多すぎて販売しきれないのではないか」という懸念が生じたため、「レモン原料をたくさん使うお菓子を」と考え、たどり着いたのが羊羹でした。早速、試作してみたところ、レモンの酸味と羊羹の甘さが程よくマッチして良い仕上がりになりました。羊羹の大きさは気軽に食べていただけるよう、手のひらに収まる小型サイズに。「しっかりとレモンの味がする」「緑茶だけでなく、紅茶にも合う」と、ご好評頂いています。

 レモンのお菓子は夏限定のイメージがありますが、当店の「れもん羊羹」は年間を通して販売します。松戸市産レモンの地産地消を促し、地元の農産物を使ったお菓子として、多くの方に愛されるようご提供したいと考えています。

 千葉県菓子工業組合常務理事・杉浦詳子