各地の菓子店探訪
岡山県菓子店の投稿

自由なお菓子

浦志満本舗 若沼庵

本酒むし小福まんじゅう

 青年部次期中・四国ブロック長の三宅弘祐さんを訪ねました。三宅さんは、「浦志満本舗新保菓匠工房」、「浦志満本舗若沼庵」、「ふりか(free-ca)」の3店舗を営業されています。伯祖父が戦前から「浦志満製菓舗」を営まれ、戦後に祖父が「浦志満菓子舗」を開業され、現在は「有限会社浦志満本舗」として、叔母さんが代表取締役をされています。今回は、茶室や喫茶コーナーがあり、「和のアフタヌーンティー」をコンセプトにされている若沼庵にお伺いしました。

旬菓

 岡山のお酒がたっぷりと使われた酒饅頭である、「本酒むし小福まんじゅう」や、串にささった「きびだんご鬼たいじ」、岡山県産のフルーツとして人気の高い「清水白桃」「マスカット」「ピオーネ」等を使用したゼリー「旬菓」など、約500種類のお菓子を製造販売されています。働き手に関しては、岡山外語学院という日本語学校の学生さんがアルバイトに来られているそうで、今もアメリカ人、パキスタン人、スリランカ人、インドネシア人の学生さんが働いていらっしゃいます。中国人が10人以上いたこともあるそうです。女性が多いため、留学生の男性に力仕事を手伝ってもらっていて、とても助かっているようです。また、会社を辞める時も、次の人を探してきてくれるので、なくてはならない存在になっているとのことです。

三宅弘祐さん

 2019年に、既存店舗をリニューアルし、お菓子の実験場として「ふりか(free-ca)」を開店されました。玉手箱の「たまて」も検討されたそうですが、お菓子を食べて浦島太郎のように老けてしまってはいけないので、その案は採用されなかったそうです。自由なお菓子という意味で命名されたお店「ふりか(free-ca)」では、ふわふわのシフォン生地であんこと生クリームを挟んだ「どら焼きシフォン」や、バニラビーンズ入りの白あんを包んだ「ビスケットまんじゅう」など、今までのスタイルにとらわれず、職人の自由な発想でつくるお菓子を販売されています。お菓子作りにおいては、なるべく添加物を使わず、昔ながらの製法にこだわっているということでした。菓子作りの常識を打ち破って、新しい挑戦を続けていらっしゃる三宅さんの今後のご活躍がますます楽しみになりました。

 全菓連青年部・中・四国ブロック長・小谷直大