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福島から来たお菓子屋さんの恩返し

ホールケーキをプレゼント

 2022年3月号に福島から来たお菓子屋さんのタイトルで、東日本大震災により福島県の大熊町から新潟市に避難し、引続き洋菓子店を始めたル・タン・メルヴェイユさんの事を紹介しましたが、今回はそのお店のオーナーシェフが去年元日に起きた能登半島沖地震で被災した新潟市西区の子供たちに、ケーキの恩返しをした事をお伝えします。

 能登半島沖地震により新潟市西区の一部地域が液状化現象による家屋の浸水、または倒壊、半壊等の被害を受けました。液状化現象、倒壊、半壊による影響は現在でも残っており、まだまだ復旧半ばという感じです。

ケーキの恩返し

 話は戻りますが、能登半島沖地震による西区の状況を聞いた時ル・タン・メルヴェイユのオーナーシェフ佐藤さんは、直ちに西区役所に東日本大震災の時には大変お世話になったのだから、子供たちにケーキのプレゼントを申込んだそうですが、何しろ区役所も傷んでおり、また状況把握も出来ていない事から今すぐには無理だから被害が落着くまで待って欲しいと、お願いされたそうです。確かにその当時は、まだ道路も液状化現象の影響で沈んでいたりして片側一車線で通行している箇所もあったり、家屋も地震当時と変わらないような所もありましたから。

 その後、ある程度状況が落着いた5月のゴールデンウイーク明け頃に、役所から何時頃実施しますかと連絡が入ったそうです。ケーキをプレゼントする予定でしたので、7月、8月の暑い時期は避けるようにし、役所並びに自治会の人達と日程調整を行った結果10月14日(月)スポーツの日に決定しました。会場は、地震後改修された公民館でクリスマスには少し早いですが、ホールケーキをプレゼントする事に。当日は、地元の参加希望者が(小学生以下)親子で沢山参加し、佐藤オーナーから一人一人に直接ケーキが手渡され、子供たちが満面の笑顔を浮かべていたのが印象的でした。この日はテレビ局も1社取材に来ており、夕方のローカルニュースの時間に放映されました。

 申出から約9カ月が経過してしまいましたが、佐藤オーナーもようやく肩の荷が下りたような表情でした。

 新潟県菓子工業組合専務理事・古川雅英

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