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ANAビジネスソリューション

ヒューマンエラー講習会

 1月15日、TKPガーデンシティ広島においてANAビジネスソリューションの「ヒューマンエラー講習会」を開催した。業務中のミスは誰にでも起こり得るものであり、それを完全に防ぐことは難しい。しかし、なぜヒューマンエラーが発生するのかを理解し、適切な対策を講じることで、ミスの発生を最小限に抑えることは可能である。今回の講習では、そのための基本的な知識と実践的な方法について学ぶ機会を得た。

 講習ではまず、ヒューマンエラーの本質について説明があった。人間の脳は効率的に情報を処理するため、経験則や習慣に頼ることで作業を自動化しようとする。しかし、それが「思い込み」や「確認不足」といった形でエラーを引き起こす要因となる。また、脳の処理能力には限界があり、多くの情報を一度に処理しようとすると注意が分散し、ミスにつながりやすくなることも指摘された。さらに、ストレスや疲労が蓄積すると判断力が鈍り、通常では気付くはずの誤りを見落とすこともある。こうした脳の特性を知ることが、ヒューマンエラー対策の第一歩であると強調された。

 次に、防ぐための具体的な方法について解説が行われた。講師は、個人の注意力に頼るのではなく、組織としてミスを防ぐ仕組みを整えることが重要だと述べた。例えば、業務の標準化や手順の明確化、チェックリストの活用など、ミスを起こしにくい環境を整備することが有効であるという。また、作業の確認を習慣化し、「一度の確認ではなく、複数の視点でチェックを行うこと」がミスの低減につながると説明された。

 さらに、発生を防ぐ上で、職場内のコミュニケーションの重要性も指摘された。業務においては、「伝えたつもり」「理解したつもり」といった認識のズレがエラーの原因となることがある。そのため、アサーション(積極的な声掛け活動)を活用し、明確で具体的な言葉を用いて意思疎通を行うことが推奨された。例えば、曖昧な指示を避け、相手に正確に意図が伝わるようにすることで、誤解によるミスを減らすことができる。また、ミスが発生した際には、個人を責めるのではなく、原因を分析し、再発防止のための改善策を講じることが重要であると説明された。

 講習を通じて、ヒューマンエラーは不可避なものではあるが、その発生を抑えるための対策を講じることで、より安全で効率的な業務遂行が可能になることを学んだ。また、エラーを防ぐためには個人の意識改革だけでなく、職場全体としてミスを減らす環境を整えることが欠かせないという認識が深まった。今回の学びを今後の業務に生かし、ヒューマンエラー対策を強化していきたいと考えている。

 広島県菓子工業組合青年部副会長・三宅就一郎

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