世間で初めての親子講習会・講演会開催

愛知県菓子工業組合の洋菓子部会は、株式会社明治の協力を得て、10月22日新しくなった愛知菓子会館2階にて洋菓子講習会を開催いたしました。
当日は、石川県小松市に「有限会社スイーツガーデンマルフジ」を構える、越栄(こしえい)信英社長、純平シェフパティシエ(長男)、亮也シェフショコラパティシエ(次男)の親子3氏をお招きし、世間でも初めての親子講習会および講演会を開催いたしました。
まず、当組合の後藤理事長よりご挨拶とお礼の言葉をいただきました。次いで、賛助会員で今回も協賛をいただきました株式会社明治の越智課長より挨拶および今のチョコレート事情について細かく説明をいただき、講習会が始まりました。
1品目は、純平シェフによる生ケーキ「凜~りん~」を披露してもらいました。講師である純平氏は、落ち着いた話し方で講習を進められました。このお菓子は、お店で使っているりんごの半端品の処理を兼ねて、従業員が考えたものを少しずつ改良してできあがった商品です。見た目にも華やかで手に取りたくなるような一品です。口にしてもりんごのショキショキ感を残した、後味の良いおいしいお菓子でした。
続いて、次男の亮也シェフショコラパティシエによる焼菓子「ショコラパウンド酒粕」を実演していただきました。亮也シェフは、プロの前での講習会が初めてで、とても緊張していたそうですが、当日は受講者の反応を見ながら、落ち着いて丁寧に自分の意見、思いを口にしながら披露していただきました。

材料には、地元の酒造会社の酒粕と、能登塩、能登ワイン(赤)、地元のいちじくを使用し、少しでも地域にこだわり、地域振興に協力できればという思いで使用されているとのことです。
焼き上がった作品は完全に焼き切るのではなく、少し半焼けのようなムニュムニュ感を残し、センターには地元の赤ワイン漬けにした、いちじくを入れ、とてもくちどけの良いパウンドケーキでした。
あと、トリュフ「フローラルブーケ」は製作の手順及び制作者のこだわりとコツなどの説明がありました。試食用のトリュフは口に入れるとスーっと周りが溶けてしまい、センターのガナッシュも口溶けが良いトリュフでした。
最後は父である信英社長より、スライドを交えながら「マルフジ」創業からの歴史、会社への思い、マルフジの心「感動」「探求」「挑戦」、マルフジの役割「地域の集いの場となる」「地域の誇りとなる」を紹介されました。
また、マルフジの考える「人財像」としては、「マルフジで働いていました」、この言葉が世間に認められどこに行っても「人の財(たから)」「人財」と言われる人になってほしい、それがマルフジが求める「人財像」ですと熱く語られました。

最後の質問コーナーでは、従業員に対する休日の管理、働き方改革、売上増加のための冷凍ケーキの自販機設置、毎週月、火連休で水曜日は生ケーキはなく焼き菓子だけの販売にする、などの興味深い話を聞くことができました。
今回の講習会は、お菓子だけを教えるのではなく、地方、地域で一番店としての役割、使命、父、息子、孫へと事業継承の一つの見本として、大変意義のある講習会でした。
有限会社マルフジ 石川県小松市沖町ナ30 TEL0761―22―7866
愛知県菓子工業組合・広報委員会