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創立30周年記念式典を挙行

石川県菓子工業組合青年部

集合写真

 石川県菓子工業組合青年部では、創立30周年記念式典を7月23日金沢東急ホテルで挙行し、約60名が参加した。全菓連からは、平山副理事長、青年部竹本部長、事務局が参加した。

 大会では、石川県菓子工業組合青年部神保部長より「本来なら30周年式典は1、2年早く開催する予定でしたが、新型コロナの流行や能登半島地震の影響で遅れてしまいました。皆さまのご協力により、こうして無事に30周年を迎えられましたことを心より嬉しく思います。振り返れば、この30年は日本全体が『失われた30年』と呼ばれる経済停滞期で、当会も変化の波を感じてまいりました。10周年は谷口会長のもと小松ドームで盛大に、20周年は行松会長のもと金沢のホテルに全国から100名以上が集まり、華やかに開催されました。本日は人数こそ少ないですが、これは時代の流れでもあります。限られた人数だからこそ意義を見い出し、同業者同士でしか得られない『栄養素』を共有し、今後の活動の糧となる実りある会となることを願っております」の挨拶の後、来賓紹介があった。

 次に、平山副理事長の来賓挨拶、石川県菓子工業組合浦田理事長、石川県菓子工業組合谷口副理事長の挨拶があった。最後に青年部竹本部長より「石川県は加賀百万石の地、和菓子好きとして目標にすべきお菓子屋が多く、厳しい時代をたくましく切磋琢磨される皆さまのお姿は大きな励みです。旭川での菓子博は、規模を縮小した新しい挑戦でしたが大成功。お菓子マーケットでは最長3時間待ちとなるほどの盛況で、菓子の人気を強く実感しました。大阪では万博が開催中で、全菓連や全菓研連が工芸菓子展示や和菓子実演などを行い、大きな反響を得ています。また、弊店では土用餅の売上減少を受け、新たに冷やし白玉しるこを販売し、一定の成果を得ました。形を変えながらも伝統を繋いでいくことが、私たち和菓子屋の使命だと思います」と挨拶があった。

石川県 神保部長

 続いて、石川県菓子工業組合吉野能登支部長と神保部長から、能登半島地震の現状報告があった(別項参照)。その後、株式会社ヤマト醤油味噌の山本耕平氏による「現場にある宝物」、お店から始まった変化のきざしを演題とする記念講演会が行われた(以後掲載)。

能登半島地震の現状報告(要旨)

・こちらでは水ようかんを冬に食べる風習があり、私は年明けから午前中、水ようかんを炊いておりました。午後から休養を取り、休んでいる最中に、16時6分に1回目の地震、そして16時10分に大きな地震が発生し、七尾市から北が大変な被害がありました。本店の1階が倒壊し、2階が道路に面している状況で、工場も稼働できない状況でした。1階はあんこを炊く工場でしたが、全部倒壊しました。今はアルバイトで、震災ごみの仮ごみ場で、ごみの収集をしながら過ごしています。お菓子作りにはもう少し時間がかかりますが、今後もやっていきたいという気持ちはあります。

・輪島の街の中心部は、家がほとんど倒壊している状態でした。今年の2月から公費解体が始まり、解体業者により現在は8割方解体が終わり、空き地の状態となっています。

・震災から1ヶ月経った頃には、那谷先輩が中心となり、ボランティアの方々が避難所へ炊き出しに来てくださいました。カレーライスのほか、お菓子も配っていただき、町野地区の住民が笑顔になったのを覚えています。

・9月には豪雨による洪水がありました。今後、使おうと思い保管していたオーブン、餅つき機、蒸練機などの機材・資材が洪水で流された状況です。

・町野地区の唯一のスーパーの社長と話し、今年の正月に餅つき大会をすることになりました。能登大納言の小豆で粒あんを炊いて、楽しく正月を祝い、住民の皆さんに振る舞いました。

・今年の4月に町野地区で花見のイベントがあり、調理場を借りて桜餅を振る舞いました。スポーツ選手なども来てくださり、みんなで喜びながら活動しました。

・色々な方々から励ましの言葉や温かいメッセージをいただき、心の支えになりました。復興には5年、10年、20年とかかると思います。今は何もないですが、この町でもう一度、住民の皆さん、また、奥能登の皆さんにお菓子を届けられたら、と思っております。年内には仮設の商店街、復興商店街が開催される予定であり、今後もお菓子作りに励んでいきたいと思います。

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