秋彩々(仮称)
昔から、栗は果物として日本人に愛されてきました。栗のもつ主成分はでん粉で脂質は少ないためヘルシーです。また、ミネラルも豊富な食べ物です。今日では和菓子の材料として欠かすことの出来ないものであります。栗羊羹、栗鹿の子、栗饅頭、また栗を使用した地方銘菓、栗を使った製品を挙げればきりがありません。ここでは関西でよく使用されるこなし生地をベースに栗餡と卵黄を混ぜ込み栗風味の生地を使い、秋の風情を表現してみました。
【配合】約30個分
〈生地〉
栗ペースト(無糖)……375g
グラニュー糖……………155g
ハローデックス………… 30g
黄味火取餡………………218g
餅粉……………………… 10g
薄力粉…………………… 20g
上白糖…………………… 30g
☆栗ペースト(無糖):純栗ペースト(無糖)【山眞産業㈱】
〈黄味火取餡〉
白生餡……………………500g
水…………………………250ml
グラニュー糖……………300g
茹で卵黄……………………5個
※卵黄は裏ごしして練り込む
〈中餡〉
小豆生餡…………………500g
水…………………………280ml
グラニュー糖……………300g
水飴……………………… 25g
生地…………………… 27g
中餡…………………… 13g
【生地仕込み工程】
①黄味火取餡に餅粉、薄力粉、上白糖を混ぜ合わせ、濡れ布巾を敷いたセイロにあけて約15分蒸し、布巾もみをして再度10分蒸す。
※露がたれないように露取りをする。
②サワリに栗ペースト、グラニュー糖、ハローデックスを入れ火にかけてやや硬めに練り混ぜる。
③蒸した黄味火取餡を加え練り混ぜる。
※蒸し上げた黄味火取餡はなるべく熱が抜けないようにすると練り混ぜやすい。
④布巾もみをして小口に切って冷却し、ビニールで包んで乾かないようにする。
※もんで小口に切ってを繰り返しなるべく早く冷ます。
【仕上げ工程】
①表面の一部に1~2gのオレンジ色生地をはりぼかしして中餡を包む。
※練り上がった生地の約50gをオレンジ色に着色する。
②布巾で絞り、表面をバーナーで焼いて仕上げる。
[皮むきの生栗を使用する場合]
・水洗いしてセイロに入れて約40分蒸す。
※竹串などを刺して蒸れを確認する。
・熱のあるうちにフルイで手早く裏ごす。
※冷めると裏ごし難くなる。
日本菓子専門学校 福本 圭祐 教師
和菓子講習 基礎編より