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学生と共にギネスにチャレンジ

佐賀伝統の羊羹づくりを楽しむ

50メートルのギネス羊羹 記録的な猛暑がようやく落ち着いた十月、連日迫りくる台風の猛威を跳ね返す様な大きなチャレンジをここ佐賀県佐賀市の西九州短期大学の学生達が成功させました。平成二十五年十月二十七日、創立五十周年の学園祭の中での記念行事として行われた50メートルの巨大羊羹製作が見事に成功し、製作した羊羹がこの度ギネスワールドレコーズに世界一長い羊羹として登録されたのです。

 計画のスタートは今年五月に遡ります。五十周年の記念の年を迎え、これまでの感謝を込め地域に貢献したいという思いのもと、このギネス羊羹製作を発案された西九州短期大学よりご相談を受けたのが発端でした。それまでにギネスに登録されていた羊羹の長さは5メートルというものだったのですが、今回は五十周年ということで記録を大幅に上回る50メートルの羊羹を作りたいと相談を受けた大串佐賀菓青会副会長が佐賀菓青会メンバーに説明した際、メンバーの反応は楽観視する者、難点を挙げる者と様々でした。しかし近年大きく若がえった佐賀菓青会メンバーは深町会長の下チャレンジをモットーにしており、今回も是非やってみようと、見様によっては無鉄砲な安請け合いをしたのです。

ギネス挑戦メンバー しかし現実は羊羹の様に甘くはありませんでした。ギネスに申請する事が決まるとその審査方法や条件を確認する為ドイツのギネス本部から書類を取り寄せたのですが、その条件というのが「実際の商品と同じ材料(配合)、製法でなくてはならない」、「実際の商品と同等の品質(味、見た目など)でなくてはならない」等、かなり厳しいものだったのです。特に苦労したのは羊羹を流し込む型の問題でした。当初4メートル程度の長さの物を複数用意し現場で溶接して作る想定をしていましたが、試しに作ってみると流した羊羹に型のつなぎ目の跡がついてしまう為、品質がギネスに認められない事が分かったのです。試行錯誤の末、実際に羊羹を流す中庭に前日に金属プレス機を持ち込み、50メートルの金属板を現場でプレスして成型するという力技で解決しました。

 しかして予想以上に難題だった50メートルの羊羹作りでしたが技術指導の八頭司前佐賀菓青会会長を中心に何とか成功させ、最後には多くの地元の方々、協力して羊羹をひっくり返した学生さんと教職員の皆さん、そしてギネスより派遣された審査員のカルロス氏も皆、自分たちで作った美味しい羊羹に舌鼓を打ち、笑顔でギネス登録を祝いました。

 私共佐賀菓青会に良いチャレンジの機会を与えて下さった西九州短期大学の先生方と、一緒に製作を頑張った食物栄養学科の学生さん、様々なご協力を頂いた佐賀県菓子工業組合、材料の手配等でお世話になった㈱オガワ佐賀他関係者の皆様に感謝しつつ、次の私達の大きな目標である来年二月より開催される「佐賀城下ひなまつり」に向け、また何か新しい事にチャレンジしたいと一同大いに意気込んでおります。

 佐賀菓青会会長・深町賢一郎

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